【事例Ⅰ】『企業の進むべき方向性』の具体活用方法(H30第1問)

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『企業の進むべき方向性』について、2次試験における実際の活用方法をお伝えします。

 

『企業の進むべき方向性』のおさらい

【Level1】基本は経営資源の集中(自己形成)
【Level2】拡げる(攻める)
【Level3】リスク分散(守る)

 

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具体の活用方法

今回は平成30年の事例Ⅰを用いて解説します。

平成30年第1問
研究開発型企業であるA 社が、相対的に規模の小さな市場をターゲットとしているのはなぜか。その理由を、競争戦略の視点から100 字以内で答えよ。

 

「競争戦略」とあります。戦略といった「大きな視点」の話であれば、まさに『企業の進むべき方向性』の出番です。

 

「競争戦略」とは「競争して勝つための策略」、つまり「勝負で勝つ」ということです。

 

勝負で勝つために必要なことは「強み」ですよね。そして、その「強み」を支えるものが企業にとっての『独自資源』となります。

 

勝負で勝つために「独自資源」をしっかりと築き上げ、それによって支えられる「強み」で「差別化」を図る、これが「競争戦略」の基本です。

 

よって、「競争戦略」という 文言だけで『Level1』要素は記載できることがわかります。

 

「規模の小さな市場をターゲットにしている」とあります。これは特に珍しいことではありません。

 

ターゲットニーズを絞り(結果的にそれがニッチなニーズだったとしても)、企業としてやるべきことを明確化し、「その市場において選ばれる存在」になる。そんなところでしょうか。

 

キーワード(Level1関連)
経営資源、集中、時間をかけて蓄積、育成、独自資源、強み、差別化(差別化集中戦略)、競争優位

 

また、あえて「規模の小さな」という表現をしていることから、規模が小さいことによる「メリット」があるのかもしれません。

 

市場規模が小さいことで市場参入しやすく、複数市場へアプローチ可能(=多角化)なのかもしれません。

 

その視点から「企業の進むべき方向性」を改めて見てみましょう。すると、『Level2』要素も記載できそうなのがわかります。

 

キーワード(Level2関連)
既存の強みの活用、シナジー効果、高付加価値化、差別化、技術の広がり、強みの更なる強化、双方向シナジー

 

その他としては、「規模の小さな市場」ということから、「大手企業にとって魅力に欠ける」という視点もあります。『競争戦略』というワードに関連させるとすれば、『競争回避』となりますでしょうか。

 

ここまでを簡単にまとめると、次のようになります。

 

理由は、

  1. ニッチ市場へ「経営資源を集中」し、「独自の強みを構築」し、その「強みを活用」した「差別化競争戦略」で「競争優位」を図るため。【Level1】
  2. 「複数市場」へのアクセスが容易となり、「技術的な広がり」による「強みの更なる強化」を図るため。【Level2】
  3. 大手企業との「競争回避」のため。

 

以上です。

 

100字を超えておりますが、あくまでも設問解釈時点における「解答イメージ」なので問題ありません。削るのは、増やすよりかは容易です。

 

『企業の進むべき方向性』の使い方のイメージは以上のとおりです。

 

展開をイメージできれば、キーワードも思い出しやすくなるというメリットもありますので、是非この『企業の進むべき方向性』の流れをしっかりと押さえてほしいと思います。

 

以上です。

 

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