この記事では、
- 与件文の読解が難しい
- 設問文や与件文がなかなか理解できない
- 読解のコツがあれば知りたい
このようなお悩みを解決します。
どうも、こーちゃんです。
2次試験突破に必要となるのは「知識」ではありません。
必要なのは「読解力」と「思考力」、「記述力」の3つです。(詳細はコチラ↓)
「知識」であれば、比較的短期間での対策も可能ですが、「能力」となれば、一朝一夕で身に付けることは至難の業です。
そのため、「早めに2次試験対策に着手し、じっくりと能力を向上させる」ことが2次試験対策の基本です。2次試験対策に近道はありません。
しかしそれでは、時間がかかりすぎたり、時間をかけた割に解答が不安定だったりと、対策の効果が現れにくいことも事実です。
そのため今回は、与件文や設問文の読解と理解する上でのサポート機能を果たす「企業の進むべき方向性」について解説します。
「事例Ⅰ」においては、企業の現在の「立ち位置」を把握し、これから進むべき「方向性」をしっかりと見定めることが、解答を作成する上で非常に有効です。
大手企業に比べ、経営資源の劣る中小企業が取れる手段は決して多くはありません。いきなり多くの事業を手がけることは、限りある経営資源の分散を招きます。得策とは呼べません。
企業の進むべき方向性
「進むべき方向性」を3つのLevelに分類したものが、以下のイメージ図です。
次から個別に解説します。
【Level1】(中小企業セオリー)経営資源の集中
基本となるのはやはり、
経営資源の「一点集中」により、独自の強みを構築し、その分野において負けないこと
です。
繰り返しになりますが、中小企業は大手と比べて経営資源が劣ります。
そのような中小企業がビジネスの世界で生き残りを図るためには、ターゲットを絞り込み、そのターゲットに振り向いてもらえるように、「経営資源を全フリ」することが基本中の基本の戦略です。
振り向いてもらいたい人に振り向いてもらえるよう、その人が何に価値を感じるかしっかりとリサーチした上で、その人にとって価値があるものを提供できるように全力で努力する。そのためだけに「経営資源を全て振り分ける」。これが大切です。
ターゲットを絞れば絞るほど、市場は小さく、ニッチになるかもしれませんが、それで全く問題はありません。その市場で負けないように、時間をかけて、技術、ノウハウ、知識などを蓄積し、人材も育成する。そうして築き上げた「独自資源」が、企業にとっての財産です。この独自資源に支えられた強みは、他社にはそうそうマネできるものではありません。長期的な競争優位をもたらしてくれることでしょう。
【Level1】先ずは脇目も振らず、一つのことを極めろ!
【Level2】拡げる
次のレベルが『拡げる』になります。
「既存の強み」を「活かせる」市場へ進出し、強みの領域を「拡げていく」のです。
一から時間をかけて独自資源を築き上げるわけではないので、ハードルは決して高くはありません。
むしろ、「既存の強みを活かす」ことで、新たに進出する市場においても高付加価値な商品やサービスの提供が可能となり、他社との「差別化」が期待できます。
さらに、他市場へ進出することで得られる「新たな知見」により、「既存の強み」の更なる強化も期待できます。
よって、
- 「既存の強み」の活用による高付加価値化により、他社との差別化を図る
- 新市場開拓による「新たな知見」のフィードバックにより、「既存の強み」の更なる強化を図る
このような『双方向シナジー』が期待できるわけです。
これが「関連多角化」です。
【 Level2 】独自資源を活用した「関連多角化」による「双方向のシナジー効果」で更なる収益向上を狙え!
【Level3】リスク分散
経営環境は刻一刻と変化していきます。
今魅力的な市場が、将来も魅力的かというと決してそうとは言えません。
環境変化の激しい中においては、何か一つに依存するのは得策とは言えません。
株式投資の世界においても「卵は一つのカゴに盛るな」という有名な格言がありますね。
一つの事業だけでは、経営環境が変化し、市場が縮小してしまえば、企業も同時に経営危機に見舞われます。
そのため、最終的には現在行っている事業とは「関連の無い市場」へ多角化を図り、「経営リスクを分散」させる方向に進んでいきます。
これが「無関連多角化」です。
注意点
「無関連多角化」には注意が必要です。
これまで行ってきた事業とは関係の無い市場へ進出するということは、「既存の強みも活かせない」ということを意味します。
一から時間をかけて独自資源を築き上げるということは、当然時間を要し、経営資源は分散します。経営資源の分散は、下手をすると、既存事業にも影響を与えかねません。
そのため、「無関連多角化」を進める上での前提条件として、ある程度「経営資源に余裕があること」が求められます。
だから、リスク分散(無関連多角化)は企業が行うべき取組の中では、「最後のステップ」(=Level3)となるのです。
【Level3】経営資源に余裕ができたら、リスク分散も検討しよう!
以上です。
企業の進むべき方向性を現在の立ち位置、Level別に解説しました。
「企業の進むべき方向性」がザックリでも掴めれば、与件文や設問文の読解や理解が進みます。
以上です。
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