- 解答に盛り込むべき項目に毎回漏れがあり、解答が不安定。。。
- 論理的な解答が作成できない。。。
- 解答構成の検討に時間がかかりすぎてしまう。。。
このようなお悩みを解決します。
2次試験は中小企業診断士試験における最大の山場です。
残念ながら、知識を積み込めばなんとなかなるような試験ではありません。
2次試験突破に必要なこと
・短時間で読解する能力
・そして、論理的に思考する能力
・それを解答として書き上げる記述力
これらが「総合的に求められる試験」、それが中小企業診断士「2次試験」です。
そこをしっかりと「理解」した上で「正しい努力」をしなければ突破は難しいです。
重要なことなので繰り返しますが、2次試験は力業でどうにかなるものではありません。
2次試験の本質についてはコチラで詳しく解説しております↓
そして今回は、【設問解釈(問題文の読み込み)時にやっておくべきこと】に焦点を当てて解説していきます。
私が苦労の末、編み出した独自理論『解答骨子作成法』をご紹介します。若干小難しいところがありますが、本当に大切な考え方なので、しっかりとポイントを押さえてほしいと思います。
解答骨子作成のススメ
設問解釈時にまずやるべきことは、
解答骨子の作成
です。
解答骨子とは次のような『解答の流れ』のことです。
解答骨子イメージ
【取組】○○した上で、△△を行った
【効果】それにより□□となり▽▽できた
作成するメリットは、次のとおりです。
解答骨子作成メリット
- 与件文の情報から、解答を「パズルのように組み立てられる」ようになる。
- 結果、「大幅な時間短縮」につながる。
- 必要な項目を洩れなく記載でき、「ローリスク解答」が作成できる。
解答骨子の作成は、特に、「事例Iにおける解答安定化」には欠かせません。
設問解釈時には、解答骨子を作成するクセを身に付けましょう。
解答骨子作成に必須の【課題解決フレームワーク】
具体の『解答骨子作成法』の解説の前に、まずは次のイメージ図(課題解決フレームワーク)をご覧ください。
具体的に解説します。
- 現状:企業が現在いる場所(現在の状況、状態)
- 環境変化:絶えず起きる経営環境変化(企業に影響を与えます)
- あるべき姿:環境変化に対応した「理想の姿」のこと(環境変化によって「理想の姿」も変化します)
- 課題:『現状』と『あるべき姿』のギャップのこと(『あるべき姿』へなるために解決すべきこと)
- 取組:課題解決のために行う具体的な取組のこと
- 効果:取組を実施したことにより生じた効果のこと(『効果』は『課題』の裏返し)
このような「流れ」を表しています。
そしてまた、「現状を把握」し、「課題を分析」し、「あるべき姿に近づく」ための「取組を実施」します。これの繰り返しです。
それを図示したものが次のイメージ図です。
ちなみに、これは決して「企業に限った特別な話」ではありません。課題解決の流れは、「個人であっても全く同じ」です。
- 「理想の自分」と「今の自分」を比べることで「課題」が明確になる。
- 「課題」が明確になれば「やるべきこと」が明確になる。
- 「やるべきこと」をしっかりとやることで「課題が解決」する(→課題解決=効果)
- その結果、「理想の自分」に近づく。
このように、この課題解決フレームワークは「普遍的」かつ「一般的」な課題解決の構造を図示したにすぎないのです。
『解答骨子作成』にはこの課題解決フレームワークを使いますので、この課題解決の構造をしっかりと押さえてください。
この課題解決フレームワークを解答骨子作成に応用できたことが私の最大の発見です!
解答骨子の作成方法【平成29年度第1問】
それでは解答骨子作成法について解説します。
具体例を用いて説明します。
【平成29年事例I 第1問】
景気低迷の中で、一度市場から消えた主力商品を A 社が再び人気商品にさせた最大の要因は、どのような点にあると考えられるか。100 字以内で答えよ。
手順①問題要求の確認
直接の問題要求は『要因』です。
「要因」とは、『結果に対して何故か?』という、「結果」に対する分析のことです。
つまり、
現状において結果はこうだけど、そうなったのは何故か?
ということです。
つまり、見る方向は『過去』です。
『現状』から『過去』を振り返ろう!
設問内容を整理すると、
現状:景気低迷の中にあるにも関わらず、一度市場から消えた主力商品が再び人気商品になっている
ということです。
今回の問題要求は、「このような現状となったのは何故か?」ということです。
手順②課題解決フレームワークに当てはめる
ここで「課題解決フレームワーク」を使います。
「現状(現在)」に至るまでの流れをみてみましょう。(見る方向は【過去】なので、下半分に着目します)
- 過去においてなんらかの「取組」を実施
- それによってなんらかの「効果(→課題の解決)」を得る
- 結果、「現状(主力商品の人気化)」に至る
こんなところでしょうか。
一言でいうと、
こんなことをやってきたから今がある
ということです。
つまり、解答骨子は次のようになります。
【解答骨子】
取組実施 → 効果(課題解決) → 現状
あとは与件文から
- 『取組』に該当する箇所
- その取り組みによる『効果』に該当する箇所
を「抽出するだけ」で、的外れな解答を回避でき、かつ、論理的な解答の完成です。
要因は、
【取組】○○○や、○○○、そして○○○を行ったことにより、
【効果】△△△が向上し、□□□ができたためである。
(結果、【現状】(今回でいうと「主力商品の人気化」)になった。)
解答骨子の作成方法【平成29年度第5問】
もう一つ具体例を用いて解説します。
【平成29年事例I 第5問】
「第三の創業期」ともいうべき段階を目前にして、A 社の存続にとって懸念すべき組織的課題を、中小企業診断士として、どのように分析するか。150 字以内で答えよ。
手順①問題要求の確認
直接の問題要求は『課題』です。
見るべき方向性は『将来』であることがわかります。
手順②課題解決フレームワークに当てはめる
「課題解決フレームワーク」を使いましょう。(見る方向は【将来】なので、上半分に着目します)
- 「現状」はこのような状態であるが
- 「環境変化」が起きたため、
- 「理想的にはこうあるべき」である(→「あるべき姿」)
- よって、○○○が「解決すべき課題」である
こんなところでしょうか。
解答骨子は次のようになります。
(ちなみに、全ての項目(要素)を必ず盛り込まなくてはいけないわけではありません!)
【解答骨子】
現状 → あるべき姿 → 課題認識
※「環境変化」省略
この他にも、
【解答骨子】
環境変化 → あるべき姿 → 課題認識
※「現状」省略
などもアリです。
「課題解決フレームワーク」を意識するだけで解答骨子作成がグッとラクになるのがおわかりになりましたか??
繰り返しになりますが、解答骨子さえできてしまえば、あとは与件文から該当する箇所をピックアップし、パズルのように組み立てるだけです。それだけで的外れな解答を回避できます。
2次試験はかなりテンパる!
2次試験は各事例80分しか時間はありません。この80分という時間は「とても短い」です。
そのため、ちょっとした想定外の出来事が起きただけで、かなりテンパります。
そうなれば、例えば『課題』を問われているのにも関わらず、『取組』や『効果』を解答するなど、かなり的外れな解答であっても平気で書いてしまうのです。
そんな時に威力を発揮するのが『課題解決フレームワークを活用した解答骨子作成法』です。
冷静に、落ち着いて、フレームワークを意識して、解答骨子を作成しましょう。
本日のポイント
- 「解答骨子」を作成しよう!
- 解答骨子作成にあたっては、『課題解決フレームワーク』を活用しよう!
なお、より具体の解答骨子作成法(問題要求別)について、コチラで詳しく解説しています↓
本日は以上です。
コメント